和風ファンタジーの大傑作『DESTINY 鎌倉ものがたり』の感想

DESTINY 鎌倉ものがたり

 

ハリー・ポッター』や『ロード・オブ・ザ・リング』。

最近は『アラジン』や『ライオンキング』といったディズニーの実写映画など

世の中にファンタジー映画の名作は数多く存在している。

 

 

一方で、日本のファンタジーの名作といえば何が思い浮かぶでしょうか。

 

千と千尋の神隠し」「となりのトトロ」といったジブリ作品を中心としたアニメ映画が多く、

VFXやCGをゴリゴリに使用したド派手なファンタジー映画はあまり知られていない。

 

 

今回レビューする『DESTINY 鎌倉ものがたり』は2017年に公開されたVFXやCGを駆使したゴリゴリの和風ファンタジー映画です。

 

 

 魔物や幽霊、黄泉の国を再現した”和風ファンタジー”映画

 

この映画の舞台は鎌倉。

鎌倉で作家の一色正和(堺 雅人)と妻・亜希子(高畑 充希)の新婚生活が始まる。

ところが鎌倉では、人間と魔物や幽霊たちが仲良く一緒に暮らしているらしい。

 

監督はVFXの名手・山崎 貴。『Always 三丁目の夕日』では、昭和東京の下町をVFX美しく再現し、日本アカデミー賞を受賞しています。

この映画には、洋画ではほとんど目にしない河童などの日本古来より伝わる妖怪がVFXの技術でリアルに再現されて登場します。

 

さらに、この映画の中でも、ものすごいVFXシーンが「黄泉の国」。

これは言葉で説明するよりも一度目で見て頂いた方が伝わると思いますので、予告動画をご覧ください。 (黄泉の国は1:10からですが、おおまかなあらすじも分かるので、すべてご覧になることをおすすめします。)


「DESTINY 鎌倉ものがたり」予告

 

夫婦にとって最も重要なものを再認識させてくれる映画

 

DESTINY 鎌倉ものがたり』のAmazonレビューは307件のレビューで☆4.1(2019/9/22時点)。

しかし、一方で低評価をつけている人の声もほかの映画に比べると多いように感じます。

特に世界観に入り込めなかったという人が多いように思います。

 

確かに魔物や幽霊と鎌倉で生活していたり、妻の魂を取り戻すために黄泉の国へ行くといったファンタジーらしい独特な世界観を持っています。

ですが、余計なことを考えて、世界観に入り込めない・楽しめないというのはもったいないです。

本作はファンタジー映画である以上に、純粋な夫婦愛を描いたヒューマンドラマ作品です。

 

作家業で忙しくしている夫を献身的に支える妻。

妻が危機に陥った時は自身の身を捧げてでも妻を助けようとする夫。

この夫婦二人の織り成す物語を独特なファンタジーの世界の中で描いていますが、

二人の根本的な思考は単純で、お互いを大切にするというものです。

単純であるが故に忘れられがちですが、夫婦にとって最も重要な思考です。

 

仕事に勤しむ夫を妻が献身的に支えるというのは、昭和時代の理想の夫婦像であり、

現代には合っていないという意見もあるかもしれません。

ですが、3組に1組が離婚しているという現代。

私たちは一度この映画を見て、お互いを大切にするという感性に触れておくべきなのかもしれません。

 

DESTINY 鎌倉ものがたり

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